from 北海道(道央) – 58 - 今年も温かくお迎えいたします。
第14回 小樽雪あかりの路。

(2012.01.11)

今年で14回を迎える「小樽の冬の風物詩」。

穏やかにスタートを切った2012(平成24)年、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年も『web dacapo』にて、よろしくお付き合いくださいませ。
 
さて、今年も2月3日(金)から12日(日)までの間、小樽では「小樽雪あかりの路」が開催されます。今回で14回目を迎えるこのイベント、小樽の冬の風物詩となりつつあります。
 
これまで2回にわたって『web dacapo』でご紹介させていただきましたが、今回はオブジェ作りにボランティア参加された方へのインタビューを中心にお伝えしたいと思います。

これまでの記事 是非一度、雪あかりを楽しんでみてください!!
第13回 小樽雪あかりの路。
第12回 小樽雪あかりの路。
小樽雪あかりの路 officail web site
 

市民のみならず、韓国や中国の皆さんもオブジェ作りに参加。

お話しをお聞きしたのは、国土交通省・小樽開発建設部で地域振興に携わる武石義人(たけいし・よしと)さん。(今回、写真の多くは武石さんから提供いただきました。)

小樽開発建設部では、地域活動に積極的に協力しようと、これまでも「潮(うしお)まつり」での練り込みへの参加など勤務時間外のボランティア活動に積極的に関わろうとする意欲を持った職員たちが有志となり、「雪あかりの路」には平成19年以降これまで5回オブジェ作りに参加してきたそうです。
 
「昨年は、1月29日からの1週間がオブジェの製作期間でした。 参加団体によっては、初日から最終日まで作業をしているところもあり、時間をかけている団体ほど立派な出来映えのように思えます。 我々は、休暇を取れる少数の人たちが、開幕前日の14時頃から作業に取りかかり、当日のまさにオープニング寸前の16時頃に「出来とすれば、こんな感じだろう」という2日間の突貫製作です。かなりの汗はかきますが、実際のところ手の込んだ作品ではありませんが、オブジェ作りに参加することで十分な達成感が得られます 」と語る武石さん。
 
このイベント全体では、去年は「おもてなしボランティアの会」、「小樽観光ガイドクラブ」、「緑のまちづくりの会」などの市民ボランティアに加えて、韓国・中国から64人もの海外ボランティアの皆さんも加わり、国際色豊かに延べ2,476人がオブジェ作りに参加し、その達成感を共有しています。


観光で足を運んだなら、蝋燭を購入してイベントに参加する。

ところで、開催期間が長いこともあり、オブジェのメンテナンスはどうしているのか、気になるところ。

「オブジェの維持・補修については、各団体で行うのが決まりです。しかし、我々もそうなのですが、期間中常時見回りできない場合には、実行委員会(ボランティアスタッフ)がやってくださいます。自分としては申し訳ないので、都合のつく日には休暇を取得して、息子か娘も連れて見回りに行くようにしていました。子供たちにとっては、そこでしか経験できない貴重な地域活動に参加するという体験になっていると思っています」と。
 
「雪あかり」には欠かすことのできないオブジェに入れる蝋燭は、「気象条件によって異なりますが、好条件で4~5時間持つようです。吹雪や雪で何度か消えてしまい、蝋燭の芯が濡れてしまうとなかなか火がつきにくくなります。また、点灯や回収は実行委員会が行います」とのこと。

ちなみに、去年使用された蝋燭の本数は、合計すると約13万本だったそうです。この蝋燭は、小樽市内のコンビニエンス・ストアーなどで、1袋9個入り500円で販売され、その収益は貴重な運営資金になっているそうです。また、蝋燭の製作は、小樽市内の業者が請け負っていて、イベントを通じた効果的な経済循環を小樽市内にもたらしているようです。
 
オブジェ作りに限らず、「雪あかりの路」の会場に足を運ばれる機会がありましたら、蝋燭を購入して実際にオブジェなどに灯を灯すことによってイベントに参加し、支えることにつなげてみてはいかがでしょうか。

 

小樽市民との交流も、是非楽しんでみてください!!

「手宮線会場で、ボランティアの人がお餅を一口サイズに焼いてくれました。ある人は、家から持参した芋を焼いてくれたり、「おもてなしの気持ち」を特に意識しなくても、自然な形で観光で足を運ばれた皆さんを歓迎している事実を目の当たりすると、「小樽は本当にいい街だなぁ」としみじみ思います」と武石さん。
 
「オブジェの修復作業や吹雪で外に出たくない夜でも、消えた蝋燭に火を入れているボランティアの皆さんの活動には、本当に頭が下がります。 また、毎年参加することによって知り合いが増え、人と人とが繋がっていく充実感や連帯感が非常に心地よいです」とも。
 
「オブジェ作りの作業中に写真撮影しようとしているカップルや家族連れを見かけたときには、作業の手を休めて相手の国籍関係なくシャッターを押してあげます。その際、「何処から来られたのですか?寒くないですか?風邪を引かないよう楽しんでいってくださいね」と声をかけるようにしています。

韓国から来た若いカップルの中には、「2度目の来訪ですが、今回も来てみて良かったです」と日本語で言われ、何だかとても嬉しかったです」と。
 
武石さんは、今年ももちろんボランティアとしてイベントに参加を予定しているとのこと。

今回は、実際に「小樽雪あかりの路」のオブジェ作りに参加した立場の方からお話を伺い、このイベントの魅力の一端を少しでも皆さんにお伝えできているとすれば、幸いに思います。

2月3日(金)から、是非小樽へと足を運んでみてくださいませ!!