狗飼恭子のロマンティック・オアフ・ストーリー - 8 - サーフィンから浜辺の散歩まで、
個性あふれる魅力のビーチ。

(2011.07.07)

オヒアレフアに約束を(8/31)
 水着を持ってきていないなんて信じられない。
 わたしが責めると、彼は肩をすくめた。
 「家を出るときに見つからなくて、まあ空港で買えばいいかなと思って」
 そのまま忘れて、ビーチまで来てしまったのだという。もっと早く言ってくれればいいのに。ホテルにもワイキキストリートにも、水着を売っている店は山ほどあった。
 「でもさ、泳ぐだけが海の楽しみじゃないと思うんだよ」
 そう言いながら、彼は周囲のカップルを指で示す。若い二人が、ベンチに座ってずっと話をしているのが見える。
 あるいは、白髪の老夫婦。彼らは波打ち際をゆっくりと散歩している。それから、男の子と女の子。砂浜にかがみ込み、貝殻やシーグラスを拾っている。
 「俺は楽しいよ、きみと海岸にいるってだけでさ」
 怒ったのが、なんだか恥ずかしくなってきた。ビーチには、怒り声より甘い囁きのほうが断然似合う。
(恋愛小説家・狗飼恭子)
つづく »
さらさらの白い砂浜と透き通った海水がまぶしい東海岸のカイルア・ビーチ。
カイルア・ビーチを歩く狗飼恭子さん。裸足で海の浄化パワーをしっかり感じた様子。


ワイキキビーチのにぎわいもリゾート気分を満たしてくれる。
ダイヤモンドヘッドを見ながら泳いだり裸足の散歩で何故か心安らぐ。


ビーチに集まった子どもたち。海から学ぶことがたくさんあるようだ。

オアフに来たら、何はともあれ、ビーチに向かいたい! オアフの海には“浄化”のパワーがあるといわれている。水着に着替えて海に入ればもちろんのこと、足を浸すだけでもそのエネルギーを感じることができるはず。エリアによって砂や波などの個性が違うので、何度も通って自分だけのお気に入りのビーチを探してみて。しっかりサーフィンを楽しみたい人、マリンスポーツにチャレンジしたい人、のんびり海を眺めていたい人…どんな人も受け入れて満足させてくれるはずだから。

 

■ DATA

数多くのビーチを擁するオアフ。どのビーチも整備が行き届き、快適に過ごせる場所ばかりだ。世界でもっとも有名なワイキキ・ビーチでは、観光客もロコも入り交じった賑やかな雰囲気が楽しめる。また、年間を通して各地でサーフィンが楽しめるオアフの中でも、特にノース・ショアは世界のトッププロが集まるサーフシティ。閑静なビーチタウンである東海岸にはカイルア・ビーチ、ラニカイ・ビーチ、クアロア・ビーチなど、ロコの姿が多く、長く続く白砂の美しいビーチが広がっている。
「ビーチ博士」として知られ、フロリダ国際大学沿岸調査研究室でディレクターを務めるスティーブン・レザーマン博士が発表した2011年米国内ビーチトップ10ランキングの3位にオアフのカハナモク・ビーチが選ばれたのも新しいニュースだ。

 

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■ 関連項目

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過去記事『今こそ、オアフ島!!』
オアフ観光局
iPadアプリ「今こそ! オアフ島」

 

Produce&Photographs: Yuji Komatsu
Special Thanks: Ritsue Honma / O’ahu Visitors Bureau