from 鳥取 – 48 - 今年もおいしくできました! 鳥取・砂丘ラッキョウ。

(2010.05.31)

海の色が美しいエメラルドグリーンに変わり、そろそろ夏の到来が待ち遠しくなってきました。山の木々もひと雨ごとにぐんぐん成長し、鮮やかな緑色に心もすがすがしくなります。

緑といえば、この時期は鳥取砂丘周辺の砂地一帯は緑一色に染まります。砂丘で緑とはちょっとおかしな表現ですが、実は鳥取砂丘のまわりは「ラッキョウ」の一大生産地。たった1カ月という短い収穫期を迎え、美しいラッキョウの葉が風に揺れています。

そもそも、ラッキョウはユリ科の多年草。地下にある球根(鱗茎=りんけいとも言う)を食べるもので、独特の香りと味わいが魅力ですね。鳥取は全国でも有数の産地。なかでも鳥取砂丘のまわりで作られる“砂丘ラッキョウ”は、きめの細やかさとシャッキリとした硬さが特徴。色白ですらりとした形をした、なんとも女性的な雰囲気を持っています。
 

地元といえども、最近ではなかなかラッキョウに接する機会の少ない子ども達。中学校では授業の一環として、栽培実習をしています。
10月になると、ラッキョウは一斉に花を咲かせます。この花畑の中を走るマラソン大会も毎年行われています。

ラッキョウは盛夏(7~8月頃)に植え付け、秋(10~11月頃)に花が咲き、初夏(5~6月頃)に収穫します。今まさに収穫の最盛期。早速、畑に向かいました。日本海を見下ろすなだらかな斜面に緑の絨毯が広がります。大きな機械が何台も連なり、みなさん忙しそう。あたり一面に、ラッキョウの香りが漂います。この地で代々ラッキョウ栽培に従事する中村さんの畑を見学します。中村さんによると「今年は少し小ぶり」とのこと。全国的な春先の天候不順が原因のようで、なかなか人間の思う通りにはいかないものです。

作業が進むなか、今掘ったばかりのラッキョウを見てびっくり! え~、1株に何粒ものラッキョウがくっつきあっています。「当たり前だが。」と笑う中村さん、無知な自分に失笑の私。ラッキョウは1株でだいたい8~10粒が育ちます。農家によって小ぶりにして粒を増やしたり、逆に一粒を大きくするために粒を減らすなど、独自の栽培方法があるそうです。掘られたラッキョウは茎の部分のみを切り落とし“根付きラッキョウ”として、また根を切り薄皮をむき洗浄された“洗いラッキョウ”として、販売されます。漬け物にはもちろん、生でスライスしてサラダにしたり、ドレッシングやタレの具材にするなど、色々な料理に使えます。そうそう、我が家で最近流行中なのが“焼肉のタレ(市販品)に生ラッキョウを刻んで入れる”こと。玉ねぎとも長ネギとも違う、フレッシュな香りと辛みがほどよく、食がぐんぐんすすみます。
 

土を掘り起こしながら、同時にラッキョウのみをケースへ入れるというスグレモノの機械。機械化が進んだとはいえ、傷をつけないよう慎重に作業するので時間や手間はかかります。
これで1株。にんにくのように実が数個に分かれています。硬く締まったものがラッキョウとしては上等です。

来月にはなんと自分で収穫する体験プログラムも行われます。さらさらとした砂地に植えてあるので、子どもでも簡単に掘れます。農家秘伝のおいしい漬け方レシピも教えてもらえ、ラッキョウ2kgのお土産も付いてくるので絶対おすすめです。

味の良さもさることながら、原産国の中国では漢方薬としても用いられるほどの効能・効果に優れたラッキョウ。手軽に食べられる健康食材なので、カレーのお供だけでなく、毎日の食卓にぜひ取り入れてみませんか。
 

1グループ、5名以上からの申し込み。いも掘りの要領で楽しく収穫できます。詳しくは下記のHPを参考に。
鳥取では各家庭にラッキョウ漬の味があります。我が家は子ども仕様に少し甘め。漬け担当は母。私はまだまだ修行中です。

   

 

「ラッキョウ掘り体験」のお問い合わせ

http://site5.tori-info.co.jp/p/sakyu/rakukyodaigaku/exp/yuyama01/