from パリ(河) – 7 - Joyeux Noël (ジョワイユ-・ノエル)♪

(2009.12.18)
寒い夜には暖かい焼き栗(マロン・ショー)を。これもクリスマスの定番です。

12月に入り、パリはクリスマス一色! シャンゼリゼ通りの並木に毎年恒例のイルミネーションが灯り、街のあちこちに山小屋風のクリスマス市が立って、連日多くの人で賑わっています。いつも聞いているラジオ・クラシックの番組からも、バッハやヘンデルなどのコーラスやミサ曲が流れ、だんだんとクリスマス気分が高まっています。

パリのクリスマスの風物詩、シャンゼリゼのイルミネーション。節電を考えて3年前から発光ダイオードが採用されています。青く透明な光が幻想的。

フランス語でクリスマスはノエル(Noël )と言いますが、フランス人にとってノエルは家族で過ごす大切な日。家には樅の木のツリーとクレッシュ(Créche)と呼ばれるイエス・キリスト生誕を再現した小さな人形を飾り、24日の夜、あるいは25日のお昼に一年で一番贅沢なご馳走を家族で楽しみます。そしてメイン・イベントは、子どもたちが心を躍らせるプレゼント交換。カトリック教の伝統を守る家庭はイブの夜に教会のミサへ出かけます。つまり、フランス人にとってノエルは日本の新年のようなもの。では新年はどのように過ごすの?というと、大晦日に友達同士でワイワイ騒いでカウントダウンを祝います。クリスマスは恋人や友達と過ごし、新年は家族と迎える日本とは逆と言えますね。

フランスのノエルのパーティに欠かせないのは、何と言ってもシャンパンとフォアグラ。「フランスでは別に珍しくないのでは?」と思われがちですが、シャンパンとフォアグラは多くの一般家庭にとって1年に1度か2度のとっておきのご馳走です。食後のフロマージュには、定番のモン・ドール(Mont d’Or)。スイス国境に近いフランス東部のフランシュ・コンテ地方で生産される牛乳製のクリーミーなチーズで、周りは樅の木の皮で包まれていて、ノエルのフロマージュとして親しまれています(日本でも手に入ります)。そして締めくくりに、ブッシュ・ド・ノエルなどの甘いケーキとチョコレートに舌鼓。1年を締めくくる至福のひとときです。

日本でも有名なパティシエ(菓子職人)、ジェラール・ミュロの華やかなケーキ。
12月になると花屋の前にたくさんの樅の木が並びます。

今年は不景気で寂しいクリスマスになると言われていましたが、あるリサーチ会社のアンケート調査によると、1世帯あたりのクリスマスの出費(食事+プレゼント)は平均650ユーロ(約85,000円)で、去年と比べて-3.5%だそうです。フランス人の53%が「去年と同じぐらい出費する」と答えているので、懐は寒いけどクリスマスは少し奮発して楽しく過ごしたい、と考えている人が多いようです。

今年を楽しく締めくくって、良い新年を迎えましょう。
ジョワイユ-・ノエル(メリー・クリスマス)!

オペラ座の近くにある老舗百貨店、「ギャラリー・ラファイエット」の名物クリスマスツリー。
ギャラリー・ラファイエットのショーウィンドー。毎年恒例のぬいぐるみたちが踊るディスプレーは子どもたちに大人気。
ノエルのパーティに欠かせないシャンパンとフォアグラ。
街角のクリスマス市。
コンコルド広場に期間限定で設置される大観覧車