from 北京 – 18 - 酔いどれ広報マン、大ピンチ。戦車が自宅包囲!?

(2009.09.08)

ニイハオ! 前回の記事からまた間が開いてしまいました。前回の記事では「すっかり夏」なんて書いていたのに、もう今や「すっかり秋」です。落ち葉が落ち、トンボが飛び、スズムシが鳴いているのを見ると、なんだか北京にいることを一瞬忘れてしまいそうになります。

そんな感傷に浸って過ごす週末のこと。のんびり気分を覚ましたのは、自宅の外から聞こえる轟音。「ゴゴゴゴゴゴ」と、およそ聞き慣れぬ音がマンションの下から聞こえてくる。「なんじゃこの音は?」と、ベランダから外を覗いてみると、何と見えたのは戦車!! えーーーと、今って戦時下でしたっけ? いわゆる市街戦ですか??

ずらり、二列縦隊!!ってな感じで、我が家の前に整列する戦車たち。うーん、壮観。でも、ちょっと怖い。
煙を上げ、疾走する戦車。こんなに速度が出るのね、と結構ビックリ。
急いでマンションをエレベーターで下りると、同じことを考えてる人が、わんさか。小雨にもかかわらず。。
横から漏れてくる会話は……「何あれ?」「海軍でしょ」……って海軍、戦車どこで使うんすか??

と、そんなワケはなく、これは10月1日に行なわれる軍事パレードの練習。10月1日は中華人民共和国の建国記念日。今年は建国60周年にあたる年で、10年に1度の軍事パレードが行われるのです。パレードは長安街といわれる、天安門の前を通る目抜き通りを通るのですが、私の今のマンションはほぼその延長線上に位置しているのです。8月末から毎週末、通行規制を敷いて練習が行なわれるというニュースは見ていたのですが、まさか戦車まで練習で登場するとは……ってか、こんな至近距離で見られて、ラッキー!?

コイツがまた速い。左にいらっしゃるのは、微動だにしない警備兵。お疲れさまです。。
地味そうに見えるこの戦車も、よく見ると柄がデジタルカモフラ?パレード用のオシャレでしょうか?
翌々日のChina Dailyにもその練習の模様が。って、軍服もデジタルカモフラ?ちょっとカワイイかも。

なんでも、軍や政府関係者を中心にパレード隊は組織されているらしいのですが、学生ボランティアも演技の担い手として数万人動員されます。ずいぶん前から北京市内の小学校では週末の早朝練習が行なわれ、大学でも志願制で参加が呼びかけられているそうです。こういった人民動員は中国の得意技。巧みなハンドリングが行なわれています。聞くところによると、練習に参加させておいてレベルが低いと選抜で振るい落とされるとか、練習に遅刻した時点で参加資格を剥奪するとか。パレード参加への飢餓感を煽りながらも、ロイヤリティに繋げるその手法……サスガです。

ともあれ、これから毎週練習はエスカレートすることでしょう。交通規制に加え、近所のデパートが夕方で閉まってしまったりと、不便なことも多いのですが、来週は家の前をミサイルが通る?戦闘機が通る??と楽しみにしている自分が居るのも否めません。ではでは、今回はこんなトコロで。再見!!