土屋孝元のお洒落奇譚。温室の様なラウンジでお茶。
ホテルボートを見ながら朝食。

(2012.02.13)

香港、バンコク、プーケット、
ハワイなど暖かい所へ。

マフラーの話の次は、さてと…。
寒さが続くので暖かい所での朝食やアフタヌーンティーの話などはいかがでしょうか。

ここ何年か、香港、バンコク、プーケット、ハワイなど暖かい所へ出かけています。泊まるホテルで食べる朝食やアフタヌーンティーはホテルによりそれぞれ違いがあり、それもまた旅行の楽しみの一つです。ある年6月に出かけた『バンコク・マンダリン・オリエンタルホテル』にて朝食やアフタヌーンティーを楽しんだ時のこと。

このホテルは世界のビジネスマンの選ぶホテルの常連でお客様1人に5人のスタッフがついていると噂されるほどです。植物園のようなエントランスを抜けると、この大きさ?と思うくらいのこじんまりとしたロビーがあり静かで落ち着ける雰囲気です。ここは有名な作家 サマセット・モーム、ジョゼフ・コンラッド、ノエル・カワードや、あのシルク製品で有名なジム・トンプソンまでもが定宿としたところで、このホテルでのアフタヌーンティーは白で統一された、 床も大理石、明るくてまるで温室の様な「オーサーズ・ラウンジ」の吹き抜けロビーにて楽しみます。

高さ3メートルにも届く様な大きなヤシなど観葉植物の鉢植えが其処此処に置かれ、パーゴラにはポトスが絡み、ガラスのティーテーブルにもカトレア、オンシジウム、胡蝶蘭、デンドロビウムなどの蘭の鉢植があり、どこのコーナーを切り取っても、まるでブルース・ウェーバーが撮るインテリア写真のようでした、絵になるとはこういうことでしょうか。

ちょうどアフタヌーンティーを始める頃からスコールの雨が激しくなり、雷も鳴りだしたのを正確に覚えています。人間の記憶には匂いや香りなども関係するらしいので、「雨の匂い」?と混ざった蘭の花達の香りで大脳に記憶されたのでしょうか。

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私感ですが香港ペニンシュラホテルの本館ロビーでのアフタヌーンティーよりも本格的な紅茶に、スコーンとクロテッドクリームと数々のジャム、英国風キュウリのサンドイッチ、プチケーキの取り合わせも見事で、テーポットにはポットカバーが付き、銀製ポットに継ぎ足し用のさし湯も添えられ、カップ&ソーサーにはホテルのロゴがさり気なく入り、長い事 使われてきたと思われる 、ほど良い質感があります。僕の個人的趣味ですが、あまりに新品過ぎるのもどうかなと思うのです、とくに銀製品はキレイで鏡の様な新品よりも使い込まれたモノの質感のほうが好きです。

チャオプラヤー川に面したオープンテラス、
小鳥とともにブレックファースト。

朝食、天気の良い日には、チャオプラヤー川に面したオープンテラス席で川を見ながら食べるのですが、和洋中となんでも揃い、例えば中華の叉焼包頭も海老蒸餃子でも本格的な中華飯店の飲茶にも劣りません。館内には30年代上海風アールデコ内装の中華料理レストランもありますから そちらで作られているのでしょう。

イングリッシュ・ブレックファースト(英国風の朝食でアメリカンでもなく、コンチネンタルでもありません、卵はフライドエッグ、ベーコン、ソーセージ、フライドトマト、ビーンズ、キノコ料理などが一般的ですね。)は、かのサマセット・モーム曰く、「イギリスでは美味しい料理は朝食を3回食べよ。」と言う言葉があるまでもなく美味しくてボリュームもあり、果物の種類は驚くほど ドリアンまで揃えられています。

感心したのは日本で言う蚊帳にそれぞれの食材がきちんとカバーされ、鳥や蝿などから守られていることでした。

自分の経験ですが、他のホテル『エバソン・プーケット・ボンアイランド』などでは朝食スペースに小鳥がやって来て大変でした。環境保護的には鳥も守らねばなりませんが、あまりに近すぎるのもどうでしょうか。お客様の帰ったテーブルの上のパンくずなど我が物顔で食べていましたが、ホテルスタッフもあまり真剣には追いかけていないようでしたね。

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話をオリエンタルホテルに戻し、このホテルでどこよりも素敵な点は、チャオプラヤー川に面してピアと呼ばれる桟橋があり、このピアからオリエンタルホテルのボートが出るのです。

*ピアについて:このピアにある待合室の家具調度は趣味も良く、本棚もあり大変落ち着ける部屋で、待合室と言うよりもホテルの一室の様でした。

黄色地に赤でタイ風建築物がシルエットになったオリエンタルホテルの旗を立て、あの独特なタイ風屋根を持つチーク製クラシックなモーター付きボートです、専属の係りがいて希望するピアまで送ってくれます。もちろん、一人のお客でも大丈夫で旅行中は何度か上流の骨董店が入るアーケードビル近くまで送ってもらいました。もちろんホテルボートは無料です。バンコクではこのチャオプラヤー川が交通手段の一つになっていて有名な寺院巡りには道路を使うよりも早くて便利です。

水上バスやチャーターのクルーザー、漁船、貨物船などが往来していてとても賑やかです。水上バスは乗り合いのボートで川のあちこちのピアをめぐります。驚くほど安い料金でした。海軍の基地も王宮の近く川に面してありました。先日の水害でどのくらいの被害だったのでしょうか、心配ですね。

道路はいつも渋滞で、タクシー以外にもバンコク独特のツクツクと呼ばれる三輪バイクタクシーもあるのですが、ドライバーにより運転も荒く、オープンなので渋滞中の排気ガスも凄いのです。わざと回り道したり、料金交渉も大変だったりします。バンコク市内はどこでもかなりの渋滞ですのでご注意を。

展覧会のお知らせ

2012 年2月14 日(火)~ 25 日(土)まで、作品を展示します。

会期: 2012年2月14日(火)〜25日(土)
会場:MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12 B1
開廊時間: 11:00 – 19:00
休廊日:日、月、祝

アクセスmapは下記サイトをご覧ください
http://www.megumiogita.com/Information/index.html

16回展出展作家: 江口暢彌/ 堀康史 / 国生千徳子 / 山本直輝
Masaya Eguchi / Yasushi Hori / Chieko Kokusho / Naoki Yamamoto

17回展出展作家: 稲葉春日/土屋孝元 / 菅和彦 / 阿部智昭
Haruhi Inaba / Takayoshi Tuchiya / Kazuhiko Kan / Tomoaki Abe

18回展出展作家: 劉賢/ 安保真 / 山田理矢 / 並河絵莉
Yoo Hyun/ Makoto Anbo / Riya Yamada / Eri Namikawa

銀座へお越しの際は『MEGUMI OGITA GALLERY』へ、どうぞお立寄り下さいませ。
お待ち申し上げております。

http://showcaseshow.org/thisweek