from パリ(河) - 23 - パリっ子が集う市場、マルシェ・
デ・ザンファン・ルージュ

(2012.11.15)

秋のパリ。マルシェに出そろう食材は

落ち葉が舞う季節になりました。街角の市場はいろんな種類のきのこやかぼちゃ、栗などの秋の食材で賑やかに。肉屋ではジビエ、魚屋さんでは今が旬の貝類が並び始めました。

パリにはたくさんの市場が立ちますが、北マレ地区と呼ばれる3区に、パリでは珍しい屋台が並ぶ、他とはちょっと違う楽しい市場があります。

この市場はアンファン・ルージュ(Marché des Enfants Rouges)という名前で、おしゃれなパリっ子たちに親しまれています。日本語に訳すと「赤い子供たち」という少々不気味な名前ですが、これは16世紀にこの場所に建てられた孤児院の子供たちが、慈悲の象徴である赤色の服を着ていたことに由来します。17世紀初めに造られたパリ最古の市場で、この時代、国王アンリ4世がマレ地区にロワイヤル広場(今のヴォージュ広場)を造ったことで、その周辺に王侯貴族の館が次々と建てられるようになり、この市場は彼らの食卓に上る食材を供給するために造られました。

現代になってしばらくの間、閉鎖されていましたが、2000年にリニューアルオープンして以来、連日多くの人で賑わっています。青空市場ではなく、マルシェ・クーベール(Marché couvert)と呼ばれる屋根つきの市場なので、雨の日でも安心して買い物ができます。

秋の公園
マルシェ・アンファン・ルージュ
旬の野菜たち
セップやトランペット茸などきのこがいっぱい
おそうざいが魅力なマルシェの屋台

この市場の面白いところは肉屋、魚屋、八百屋などの商店だけでなく、その場でいろいろな国の郷土料理が食べられる屋台が併設されていること。クレープ屋、イタリアン、モロッコ料理、さらには日本の定食屋もあります。『タエコ』というこの定食屋さんは、丼ものやいろいろなお惣菜を組み合わせるお弁当を出していて、パリっ子たちにも大人気。「フランスで弁当?」って思われるかもしれませんが、弁当はフランス人の間でもそのまま「BENTO」 という名で定着するほど人気で、最近では弁当にまつわる料理本もよく出ています。『タエコ』の料理はお持ち帰りもできるので、自宅で家庭料理を食べてほっとしたい日本人にとってもありがたいお店です。

モロッコ料理の店では日本でも最近人気というクスクスやタジンを賞味できます。どちらも暖かいシチューあるいは煮込みといった感じの料理なので冬の寒い時にも最高。そのすぐ隣には自然派ワインを揃えたこじゃれたワインバーもあります。チューブ型の屋根付き屋台に、きちんとした木製カウンターがあり、おつまみとグラスワインが楽しめます。

営業時間は、火~土曜日は8:30~13:00と16:00~19:30(金、土は20:00まで)、日曜日は8:30分~14:00で、月曜日はお休み。週末は遅めのランチを食べにくる人たちで特に混雑するので、のんびり楽しみたい方は平日の方がおすすめ。住所は39,rue de Bretagne,75003 Parisです。おしゃれなブティックが多い界隈なので買い物の後のランチにも良いアドレスです。

マルシェにはパン屋さんも入っています
フランスの食卓に欠かせないチーズ
モロッコ料理の屋台
ランチ客で賑わう屋台