from パリ(河)- 30 – 何度でも訪れたくなる、パリの素敵な街路。
(2014.12.02)パリの魅力
花の都、パリの魅力はいろいろ。エッフェル塔や凱旋門などの歴史的建造物、レオナルド・ダ・ヴィンチからピカソまで、世界の傑作が集まる美術館、フレンチ・ガストロノミーを堪能できるレストラン、馴染み客になった気分でくつろげるカフェ、職人の愛が感じられる雑貨たち、などなど。昔から住んでいる地元の人たちにとっても、短い滞在で訪れる異邦人(エトランジェ)にとっても、パリは、いつの時代でも色褪せない、不思議な風情のある街です。
遊歩者としてパリを歩く
パリは、特に目的もなく、細い街路をぶらぶらと歩いているだけでも心が高揚してくる街でもあります。現代ではごく普通の行為である、ぶらぶら歩きという時間の過ごし方が生まれたのは、パリが近代都市として発達し始めた19世紀初頭。都市としての機能の発展とともに、都市遊歩者(フラヌール/Flâneur)が出現し、ショーウィンドーを眺めたり、街行く人を観察したりして、目的を持たず街を彷徨ようという行為が、当時の都会人のモダンライフの一部として定着していきました。
そぞろ歩きが楽しい街路は本当にたくさんありますが、いくつか例を挙げるとすれば、1区のパレ・ロワイヤル、2区のパッサージュ・デュ・セール、マレ地区のフラン・ブルジョワ通り、アルシーヴ通り、6区のシェルシュ・ミディ通り、9区のマルティール通り、11区のシャロンヌ通り、モンマルトル地区のアベス通りなどでしょうか。全てを一度にご紹介することはできないので、個人的にとても好きなバック通りについて少しご紹介したいと思います。
パリの粋が凝縮された、7区のバック通り(Rue du bac)
バック通りの目印となるのは、世界最初のデパートと言われている、1852年創業のボン・マルシェ(Le Bon Marche)。160周年にあたる2012年から、大々的なリニューアルが行われて、さらに洗練されたゴージャスなデパートに生まれ変りました。 特に、フランスだけでなく世界の美味しい食材が集まる、日本でいうとデパ地下にあたる食品コーナーが圧巻で、おみやげ選びにも最適です。多くの場合、短期滞在の観光で来ている方々は、このボン・マルシェを見たら、他の目的地へ向かうのですが、この先に続く、バック通りは、ゆっくり滞在できる際には、ぜひ一度歩いてみていただきたい通りです。
インテリア雑貨や文房具を扱う専門店が多いのが、この通りの特徴。イギリスのコンランショップを始め、バスク地方のカラフルなストライプの織布製品を扱う「Les toiles de soleil(レ・トワル・ド・ソレイユ)」、オーダーメードの名刺や招待状などを作ってくる格式高いレター屋さん、白とベージュを特徴としたフレンチ・シックなインテリアショップ、「Blanc d’Ivoire(ブラン・ディヴォワール)」など、ため息の出るほど素敵なお店がずらり。自分へのご褒美や、大切な人へのとっておきのプレゼントなどを探している方におすすめの通りです。ショッピングの合間に立ち寄れる、シンプルだけれどおいしいフランスの定番料理を出すカフェも何軒かあり、食のほうも十分に楽しめます。
今はクリスマス・シーズン。デコレーションが一際華やかなショーウィンドーを眺めながら、プレゼントやパーティのお菓子選びをするのも、この時期のパリでしか体験できない素敵なひと時です。