from 北京 - 28 - 中国ナンバーワン検索エンジン
百度(バイドゥ)本社に潜入。

(2011.08.19)

80%超という圧倒的なシェアを誇る「巨人」

中国インターネットユーザーは、2007年にアメリカを抜いてトップに立ち、今年2011年末には5億人を超えると言われています。5億人、と聞くだけで仰け反ってしまいそうですが、そりゃそうですよね。公称13億人(実際はもっと居そうですが)の国民を抱えているワケで、当然それだけのユーザーが居てもおかしくないですし、現時点で人口の1/3ほどであれば、まだまだその数は伸びて当然なワケです。あと8億人潜在ユーザーが居る市場、ハンパないです。

その中で圧倒的なシェア、ゆうに80%を超えるシェアを持っているのが、今回その本社を訪問して来た「百度(バイドゥ)」です。私が中国に来た4年前は、仕事上でバイドゥを説明する時には「70%超のシェア」と答えていましたが、2010年3月のGoogleの中国撤退(現在も香港サイトは運営中)を受けて、そのシェアはさらに上がり80%を超えるに至ったようです。

総勢25名での訪問、規模に圧倒

今回の訪問は、私の所属する会社とバイドゥ社の日本における業務提携の取り組みが、3年目に入ることに際して、スタッフの研修をお願いして実現したのですが、先方は参加者数を5〜6名程度と想定していたそうなのですが、社内で研修参加希望者を募ったところ30人を超えてしまいました(汗)しかし、本社に辿り着いてみれば、当日参加の25人なんてあまりにちっぽけ、まるで大学の構内のような広大な「キャンパス」が広がっていたのでした。

バイドゥ本社施設内には、中庭に小川が流れ、橋が掛かり、昼休みにはジムで体を動かす人が居て、ヨガのクラスが定期的に開催され、食堂も中華だけでなく西洋風のものを出すレストランまで、とにかくありとあらゆる施設があり、圧倒されます。皆、カジュアルな服装で、笑顔で働いていたのが印象的でした。私はと言えば、今回は研修の引率?ということで、ビシッとスーツを着ていったのですが、完全に浮いていましたね。(汗)

ちなみに、研修後にはランチをご馳走になったのですが、食堂で食べたのは目の前で手打ちしてくれる麺に、卵とトマトの炒め物を掛けたもの。これにテーブルの上にあった辣椒(ラー油)と黒酢を掛けて食べましたが、かなり美味しかったです。これを社員の方々は100円ちょっとで食べられるんですから、羨ましい限りです。


Googleに追いつけ追い越せ、の充実したサービス

今回、肝心の研修は、バイドゥ株式会社国際事業部の高橋さんと徐さん、百度公司SEM部の商さんと麗さんに、色々と教えて頂きました。初めて知ることも多く、大変興味深かったのですが、自分も含めてですが、やはり日系企業の活用はまだまだ進んでいないな、ということです。

例えばブランドリンク広告という、主に企業名で検索した場合に、その企業が検索結果のトップに大きく出る広告があります。中国企業を中心に多くの企業が活用しており、このところは外資系企業の活用も進んでいるそうです。しかし、欧米系企業や韓国系企業は積極的に活用しているものの、日系企業はあまり活用をしていなく、その辺りをとってもまだまだ日本企業のマーケティングは若干消極的なように感じます。我々がもっと、有効なものをしっかりと企業にお勧めしてゆかなくては、と思いました。また、無料のツールとしては、百度指数はとても使い勝手が良いと思いました。特に一つのキーワードに対して、検索数推移とメディアの記事掲載数が比較して出てくるサービスは、我々のような仕事にはピッタリのサービスです。(笑)

中国独自の事情を踏まえた活用を

バイドゥに限らず、中国の検索エンジンでは「粉ミルク 販売」というように単語をスペースで区切って検索窓に入れるのではなく、「粉ミルクを買う」という文章で検索をするのが一般的です。

さらには基本的に漢字で検索する傾向、例えば「TOYOTA」ではなく「豊田」で検索する傾向があり、漢字で検索しないと検索結果の数も大きく減ってしまったりします。日本企業はそういったことも頭に入れながら、サイトを作ったり、検索広告を発信したりしなくてはなりません。他にもまだまだ日本と違うことがあります。まずは「相手を知る」ことが大切ですね。

さらに重要なのは、そういった状況が「常に変化する」ということです。「今日の常識が明日の非常識」は、インターネット世界の常識ですから、常にキャッチアップしてゆかなくてはいけません。私も、とりあえず開設したあとあまりイジっていない「微博(ウェイボー)」(=マイクロブログ、中国版ツイッター)をもっと活用するなど、もっと勉強しなくては、と誓ったのでした。