from 山梨 – 7 - 柚子茶を作る~「ゆずの里」増穂町で柚子とゆずポン酢を買ってきた。

(2009.12.24)

11月25日に発表された、気象庁の3ヶ月予報(12月~2月)によると、「今年の冬は暖冬傾向。日本海側では雪が少なく、太平洋側では降水量が多くなる確率が高い」んだそうです。
確かに、師走だというのに日中の暖房を使わない日も多い。
家計レベルでは暖冬大歓迎ですよ。
数年前には18リットルで700円くらいだった灯油も今は1,000円越えですからね、使わずに済めばありがたいし、なによりも化石燃料を使わず温室効果ガスも出さないという、これぞ「エコ」です、「エコ」。
農家さんもハウス栽培にかかるコスト負担が減って助かるでしょうしね。

それでも夕方になって日が翳り始めると一気に気温が下がり、「温かいお風呂に入りたい」とか「温かい鍋を食べたい」などと思うのは、いつもの冬と同じ。

そこで、「柚子」。
お料理の香り付けはもちろん、昔から日本には風邪をひかないように冬至に柚子湯に入る風習があります。
柚子には血行を促進する作用があり、血行を促進することで新陳代謝が活発になって身体も温まるという、冬にはとてもありがたい果実なのです。
冬至だけじゃなく、「うー、なんか今日は冷えるなあ」という日には積極的に柚子湯に浸かりたいものです。

山梨県中西部の増穂町へ、柚子を買いに行ってきました。
増穂町は自ら「ゆずの里」を名乗るほどの柚子の産地。
「柚子なんて珍しいものでもなければ、大量に使うものでもなし、日本全国どこででも、八百屋さんやスーパーマーケットに行けば手に入るじゃないの。」
いやいや、今回は大量に使うつもりなんです。

目指したのは「ほずみの郷 加工直売所」。
柚子と同じ、黄色い外壁が目印です。
柚子の良い香りが漂う店内には「ゆずうどん」を頂くことのできるカウンターがあり、その後ろにゆずを詰めるコーナーがあります。
 

あいにくの雨でしたが、柚子色の外壁のおかげですぐに見つかりました。
横に置かれている秤で量りながら袋に詰めて行きます。

小さいのは1キロ400円、大きいのは1キロ500円。
500円の方を袋に詰めたら、ちょっとオマケしてくれて1キロで10個入りました。
店内には、できたてのまだ温かい「ゆずポン酢」(たまり醤油、ゆず果汁、みりん、酒、だし昆布、かつおぶしだけで作られたもの)があったのでそれも1瓶購入して、もうひとつのお目当てだった「ゆずうどん」を頂くことに。
柚子を練りこんだうどんに、揚げたてのかき揚げ、そして、うどんに柚子を入れることはあるけどこんなに入れたことはなかったわーというくらい入った、刻んだ柚子の皮。
香り付けというより、薬味という感じです。
でもそれが非常においしかった。
今まで香り付け程度にしか柚子を使っていなかったことが悔やまれるくらいに、おいしかった。
これからはうちでもこれくらい入れることにしよう…。
 

1キロの柚子と、できたて「ゆずポン酢」。
揚げたての立派なかき揚げがのった「ゆずうどん」。

この日の夕食は、ゆずポン酢を味わうために豚しゃぶ鍋を用意。
材料は、先日能生で買ってきた鯛のアラでとった出汁に、白菜、薄切りの豚バラ肉、ねぎ、えのき、油揚げ、お豆腐。
ゆずポン酢の入った瓶のフタを開けて香りをかぐと、柚子とだしの良い香りがします。
小鉢に注いで少しなめてみると「ちょっと薄い?」と感じるくらいだったのに、鍋の具につけて食べると薄いどころか柚子のインパクトにびっくり。
さすがとしか言いようのないこのゆずポン酢、クセになりそうな予感。

そして大量に購入した本命の柚子は何にしたかったのかと言うと、「柚子茶」。
柚子を丸ごと使う柚子茶には、身体を温める作用、抗菌作用、リラックス作用などがあり、風邪予防の効果が期待できます。
なんといっても、柚子に含まれているビタミンCはレモンの3倍ですからねー。
お砂糖を使って作るレシピもありますが、私は蜂蜜だけで作ります。
なぜなら、蜂蜜には抗菌作用や免疫力を上げる作用があって、その効果も狙っているからです。
また、蜂蜜の果糖は腸内の善玉菌の好物なので整腸作用があるとか、ちょっと意外なのが、柚子にも蜂蜜にも血圧を下げる効果があるとか、とにかく柚子にも蜂蜜にも、ありがたい成分が満載なのです。
ただ、蜂蜜独特のくどい風味が苦手な人は、お砂糖を使ってまろやかに仕上げた方が良いかもしれません。
お砂糖だけで作るも良し、お砂糖と蜂蜜を混ぜて作るも良し、です。
2つほどはお料理用にとっておいて、今回は8個の柚子を使って作りました。

 

材料

柚子 8個
蜂蜜 500g(お好みの量で)

 

【作り方】

1 柚子を水できれいに洗って乾かします。
2 ふたつにカットして、
3 種を取り除き、
4 柚子の香りに包まれながら、細かいことは気にせずカットします。
5 清潔な瓶に、カットした柚子と蜂蜜を交互に入れ、
6 よくかき混ぜてフタをして冷蔵庫へ。

保存している期間は、時々瓶の中の上下をひっくり返すようにかき混ぜて、お好みで蜂蜜を追加したりしても良いと思います。
その時によって、結構かさが減って水分が出てきたなーと思うこともあれば、今回はあまりかさが減らずに水分もあまり出なかったなーと思うこともあります。
仕込んだ時は角々しかった柚子の皮が、日が経つにつれて柔らかくなって飲みやすくなっていきます。
それでも柚子が全部お湯に溶けるようになるわけではないので、カップに残った柚子はティースプーンですくって食べましょう。

お料理用に1個買っても使いきれなくて途中でダメにしちゃうこともままある柚子ですが、ダメにするなんてもったいない。
上手に利用して、寒い冬を元気に過ごしたいものです。

仕込んで9日目。だいぶ柔らかくなりました。
お湯を注ぐと、柚子の良い香りが広がります。

飲む時は、ティースプーン1杯くらいをカップ1杯のお湯で割ります…と書いてみたけど、量に決まりなどありません。
こういうのは作り方も飲み方も、「これこそが柚子茶の黄金比!」みたいなレシピはありませんから、適当にどうぞ。
温かい柚子茶に、シナモンを少し入れて飲んでも美味しいですよ。
シナモンには血行を良くして身体を温め、冷え性を改善する効果があります。
お茶以外にも、ヨーグルトやアイスクリームのトッピング、マーマレードのようにパンに塗る…いろんな使い方ができますし、そうそう、暖かい時には氷を入れた冷たいゆず茶も格別です。
柚子にはクエン酸も豊富に含まれているので、スポーツのお供にも良いですね。
余談になりますが、以前たまたま見ていたテレビ(NHKだったかな)で、「どうすれば足がつらなくなるのか」という特集をやっていました。
ラグビートップリーグの三洋電機ワイルドナイツが「試合に勝てない」→「前半はいいが、後半失速」→「後半、足がつってしまう選手が多くてプレーにならない」→「どうしたら改善できるか」→「試合前にクエン酸をとる」→「足がつらなくなった」→「勝利連発」という番組の流れでしたが、これまでクエン酸は疲労回復のためにスポーツの後にとればいいと思っていたので、この展開には驚きました。
これからの時期、スキーやスノーボードの前に温かい柚子茶なんてものいいんじゃないでしょうか。

 

ほずみの郷