from 鳥取 - 77 - 「ヒメボタル」が輝く村の、
驚きの野菜「あまぴー」

(2011.09.22)

「ヒメボタル」が彩る高原の村

鳥取県日南町福万来(ふくまき)地区は、中国山地のただ中、標高450mの高原の村です。ここでは夏でもさわやかな風が吹き、澄んだ水が流れています。

この地区では夏になると無数の「ヒメボタル」が夜の林内を幻想的に彩り、たくさんの人が観察に訪れます。ここでは地区をあげて「ヒメボタル」の生育環境を守る活動に取り組んでいます。


「あまぴー」って何だ

さて、「ヒメボタル」の発生も終わり、ひとしきりすると、近くのパイプハウスでは「あまぴー」が赤や黄色に色づき始めます。

8月のはじめ、このパイプハウスを訪ねてみると、ちょうどハウスのオーナー、坪倉 昌さんの奥さん、京子さんが「あまぴー」を収穫の最中でした。この時期はまだ株の下の方で葉に隠れているため、探し出しては大切に摘み穫るという作業です。

 

「あまぴー」は驚きの糖度。

そう、実は「あまぴー」とは「あまい(甘い)ぴーまん」の略で、坪倉さんたちのグループが生産するカラーピーマンのニックネームなのです。

この「あまぴー」、ためしに生でかじってみると、口の中に果汁がジュワーと広がり、相当の甘さです。
そこでサンプルをいくつかいただき、糖度を測ってみました。

結果は比較のために測った通常の緑のピーマンは糖度3度台、これに対して「あまぴー」の赤はいずれも糖度10度を超えました。さすが、名前のとおりです。

ちなみに普通の大玉トマトの糖度が4~6度程度、糖度が10度を超えるとスイカや梨のレベルに近くなります。ピーマンで糖度10度は驚きの甘さといえます。

 

「あまぴー」を使った料理。

こんな「あまぴー」に、レストランのシェフも注目です。鳥取県米子市内のレストランで「あまぴー」を使ったおすすめの料理を紹介してもらいました。赤や黄色の「あまぴー」はその甘さで、彩としてだけでなく、料理の主役にもなっています。

ところで坪倉さんのグループの「あまぴー」は今のところ生産量が少なく、鳥取県内を中心に出荷されていますが、残念ながらどこでも手に入るというわけにいかない「幻の」ピーマンです。

鳥取県在住の方、あるいは鳥取県を訪れた方で、県内のスーパーマーケットやレストランで「あまぴー」に巡り会えたら、ラッキーですよ。