from 鳥取 – 6 - 元旦早々、朝からあま~い「あずき雑煮」で始まる鳥取のお正月。

(2009.01.05)

正月のお雑煮。
皆さんの故郷ではどんなお雑煮を食べてますか?
鳥取県の我が家では「あずき」の雑煮を食べます。「あずきの雑煮」って、それはつまり「ぜんざい」なのでは?と思うかも知れませんが、果たしてその通り。鳥取県東部では、あずき雑煮とぜんざいが区別されていません。「雑煮」と言えば、「甘いあずきのお汁に白餅が入っているもの」と、子どものころからインプットされているものだから、大人になって初めて「ぜんざい」に出会った時も、「なんだ雑煮のことか」というのが素直な感想でした。

最近、鳥取の「あずき雑煮」が変わり種の雑煮としてよく紹介されるようになりました。元旦早々、朝からあま~い「あずき雑煮」を食べる光景はよその人にはインパクトがあるのかも知れませんね。実際、岡山出身の妻が、元旦の朝に私の実家の食卓に並んだあずき雑煮を見たときに一瞬浮かべた驚愕の表情を忘れることはできません。両親の手前、何事もなかったように美味しいと言って食べてましたが……。

けれども、鳥取県は「ぜんざい=お雑煮」一色かというと、そうではなく歴然とした地域性があります。共通項はすべて丸餅を入れること。味付けはあずき、味噌、醤油(すまし)の三つに大別されます。

あずき雑煮は、主に日本海に面した海岸部でよく食べられていますが、県東部の山間部では「焼き豆腐」を入れた味噌が主流。醤油は県西部で多くなり、魚の出汁でとったすましをベースに豆腐、ネギ、ごぼう、ぶりの切り身にかもじのり(干しノリを細かく刻んで空鍋でいったもの)をお酒で溶きかけて食べるというゴージャスな具だくさん雑煮も存在します。

ところで、そんな地域性とか伝統とかは脇におき、今一番気になっているのが「カレー雑煮」。カレールウ消費量日本一を誇る鳥取市で、鳥取をカレー王国にする!ためのプロジェクトを着々と進める謎の集団「鳥取カレー倶楽部」が作り上げた一品です。まずはカレールウをおわんにいれ、その上にお餅をのせます。この時点でカレーライスの盛りつけとは明らかに順番が異なっています。さらにその上にとろみを付けただし汁を静かにかけて、具材をトッピングすると出来上がりです。具材で欠かせないのは鳥取名産の豆腐ちくわ。だし汁の透明層の下に静かに佇むカレー層の2層構造は見た目も美しい。食べるときにかき混ぜて、一度食べればやみつきらしい。今年の正月は我が家もカレー雑煮に挑戦だ! 
でも元旦はやっぱりあずき雑煮かな・・・。

<あずき雑煮>

<具だくさんのすまし(醤油)雑煮>

<カレー雑煮:鳥取カレー倶楽部提供>

 

鳥取カレー雑煮レシピ

カレールウ:グリコ2段熟カレー(県内の鳥取グリコ(株)で作っています)
じゃがいも・にんじん・たまねぎ
ダシ:あんかけ
焼いたおもち(つきたてであればそのままで)
トッピング:豆腐ちくわ ホウレンソウ ゆず 焼いたネギ