from 東北 – 2 - プロ野球、楽天イーグルス、Nomusan、チームづくりの表裏。

(2008.11.06)

プロ野球2008年度シーズンがいよいよ大詰めを迎える。
この時期になると騒がれるのが、各球団の監督の去就。
我らが東北楽天ゴールデンイーグルスはというと─────
「Aクラスに入らなければ、ユニホームを脱ぐ」と
開幕前に話をしていた野村監督が来年も続投となった。
私は「やったー!!」とガッツポーズ。

今年度、野村イーグルスの結果は5位、Bクラス。
結果だけを見れば、「なんだ、相変わらずだな」と思われるかもしれない。
しかし野村体制となってから、イーグルスの野球は年々、面白みを増している。
今までと大きく変わらないチーム編成にも係わらず、観戦時の見どころが広がっている。
「ゲームセットまで見ていたい」「うわっ、おおっ」と感じさせる、ゲーム内容。
チーム内に野村監督の教える「考える野球」が浸透してきた証拠だ。

背番号「19」、どなたのユニホームでしょう?

確かに、優勝したら嬉しいと思うが、そこだけを目指してほしくはない。
もともとプロの球団がなかった東北・仙台の地に誕生した、東北楽天。
待ちに待った、プロ野球!である。
「イワクマが怪我をしなかった、良かった良かった」
「ヤマサキが本気でセカンドまで走った、たいしたもんだ」
「イチバ、今日は5回まで頑張れよ!5回までで良いから」
「マー君がこっち見た、違うよ私を見たんだよ。それにしても顔つきが変わったよな~」
ファンはけっして「勝った、負けた」を見たいのではない。
選手の頑張りやハッスルを見ているし、自分たちが育てていると勝手に思い込んでいる。
大それたことかもしれないが、このイレコミ具合が東北人ならでは。
「勝ち、負け」を求めないのも当然なのかもしれない。
もちろん勝敗の感情を全く持っていないわけではない。
負けの悔しさを知っているからこそ、勝ったときの喜びは大きい。
その1勝を思い入れのある選手達とともに味わいたいだけなのだ。
だからこそ、選手のキャラクター性は重要。
このキャラクター性は「足が速い」「スタミナがある」「一発がある」「根性」など
個人の特殊能力の再発見にも結びつく。
考えなければ、特殊能力は開花しない。
その特性を野村監督は「考える野球」の指導の中で
上手に導き出しているように思う。
そう意味でも野村監督が手がけるチームづくりと
東北風土の相性は見事にマッチしているのかもしれない。
個性に彩られた、愛情をそそぐことのできる球団として。

しばしば語られる「野村再生工場」。
みちのくの地でどのようなプレーヤーを創造してくれるのか。
オールドプレーヤーが華を咲かせられるのか。
来年もその采配を見られることのできる喜び。
期待は膨らむばかりである。
早くも2009年度の戦いが楽しみになってきた。
また背番号「19」のレプリカユニホームを持って、スタジアムへ行くぞ!
最後に野村監督へ一言。
「イヌワシ軍団の永久監督になっていただけませんか」