from パリ(河) – 3 - パリジェンヌの夏の“MUST”アイテム。

(2009.08.17)
太陽の光がさんさんと降り注ぐ夏のバスク地方の海岸で、きれいな小麦色の肌を手に入れるために日焼けにいそしむ乙女たち。

夏真っ盛りのパリ。フランス人の生き甲斐と言っても過言ではない長い長いバカンスの季節です。7月から8月にかけてパリッ子たちはこぞって街を離れ、3〜4週間ほど海辺や山でのんびりとバカンスを満喫(1週間以上の長期休暇をなかなか取ることのできない日本人には羨ましい限りです)。この2か月の間は雑踏や車の音が消えて閑散とするパリですが、8月後半になるとバカンスからちらほらと戻ってきたパリジェンヌたちが、きれいに日焼けした肌を自慢しながら街を闊歩する姿がまぶしく目に映ります。

パリのセーヌ河岸の一部は、7月半ばから8月後半にかけて、浜辺「パリプラージュ」に変身する。アルバイトの女性の足元も「HERISSON」モデルのサンダル。
流行のショートパンツと革紐サンダルを身に付けたおしゃれなパリジェンヌたち(セーヌ河岸にて)

日本の女性とは反対に、パリジェンヌたちの夏の目標は、「いかに美しく日焼けするか」。 「皮膚の老化を早めるのはわかっているけれど、やっぱり夏は小麦色の肌を手に入れなきゃ!」というのが彼女たちのあくなき願望! 日本では絶対に日焼けしないために使う日焼け止めクリームも、こちらでは「赤く炎症を起こさないように、色ムラができないように、段階的にきれいに日焼けする」ためのもの。肌をブロンズ色にする「タンニングクリーム」も大人気です。美白信仰の日本とは全く逆の現象ですね。

セーヌ河で肌を焼く人々
バカンスから戻ってきた小麦色の肌のパリジェンヌ。かわいいワンピースと、足元にはマロン色のサンダル。(リュクサンブール公園にて)

そんなパリジェンヌたちの間で、「健康的に日焼けした脚を美しく見せる」アイテムとして、2,3年前から爆発的に流行っているのが、スパルティアット(Spartiate)と呼ばれるヌーディーな革紐サンダル(説明がちょっと難しいので、写真をご覧ください)。バレエシューズ、ショートブーツと同様に、パリジェンヌのシューズコレクションに欠かせない、まさに足元おしゃれの必須アイテムのひとつと言える存在です。バカンス先のビーチでもパリの町中でも愛用されるこのサンダルは、フランス人の憧れの高級避暑地、南仏のサントロぺ(Saint-Tropez)の靴職人、ジャック・ケクリキアン(Jacques Kéklikian)氏が1930年代に発案したもので、以来、この地に集まるアーティストやセレブリティの間で評判となり、「サントロぺの夏の定番」として定着しています。

パリ6区のオデオン界隈にある靴屋さん。人気の「HERISSON」のモデルのサンダルが並ぶショーウィンドー。
カラフルなサンダルたちの値段は30ユーロ〜。

本家本元のケクリキアン製のサンダルはサントロぺ以外で見つけるのは難しいけれど、いろいろなメーカーが、ケクリキアン風の革紐サンダルを出しています。パリでよく見かけるのは、これもサントロぺに本店があるレ・トロぺチエンヌ(Les Tropezienne)社のもの。特に人気なのが、写真に写っているHERISSON(エリソンと読みます。「ハリネズミ」という意味)モデルです。カラーバリエーションも豊富で、今年はシルバーやゴールドなどのキラキラ系が流行っています。このサンダルにワンピースやショートパンツを合わせるのが、今年の夏一押しのファッション・スタイルです。