from 広島 - 17 - 清盛・海猿・大和・潜水艦、
女子もハマる「オトコのロマン」。

(2012.06.22)

船で渡る、二つの「平清盛」ゆかりの地。

現在放映中のNHK大河ドラマ「平清盛」。広島ではそれにあわせて、清盛が建立した厳島神社のある「宮島」と、清盛が切り開いた「音戸の瀬戸」を結ぶ高速船『きよもりブルーライン』が今年限定(2012年1月14日~2013年1月14日の土日祝のみ)で運航しています。

どちらを出発点にしても良いのですが、今回は宮島から音戸へ渡るコースを選んだので、ランチ前の食前酒替わり(?)に地ビール「宮島ビール」を買い込み、いざ出港!

音戸へ向かう船内では、ガイドさんが瀬戸内海の島々に残る逸話を語ってくれるので、程よく飽きさせない約一時間の船旅を楽しむことができます。

赤い太鼓橋が見えてきたら、「音戸」到着のサイン。音戸大橋は現在、新・音戸大橋の建設工事中。完成したら、新旧で二連の赤い太鼓橋が並ぶので、これもまた新しい名所になりますね。

宮島ビールともみじ形てんぷらで宮島満喫。
最初に見える赤い太鼓橋が新・音戸大橋。
今も残る、懐かしい昭和の町並み。

音戸港で下船し、海沿いの道を歩いて「清盛が人柱の代わりに経典を投げ込んだ」とされる『清盛塚』、そして目の前にある『平清盛音戸ドラマ館』へ。

『平清盛音戸ドラマ館』の上のフロアにあるお食事処『うずしお』は、窓から瀬戸内海が一望でき、地元の魚介を中心としたメニューがいろいろあるので、まずは押さえておきたいところ。瀬戸内海の魚を使った「清盛丼」に合わせるのは、やっぱり音戸の地酒「清盛」ですね。

ランチを終えたところで、『平清盛音戸ドラマ館』前からシャトルバスに乗り、音戸大橋を渡った対岸「清盛公の日招像」がある「高烏台」を目指すことに。

ちなみに、平清盛の日招き伝説とは、音戸の瀬戸開削工事が完成目前のある日、傾き始めた太陽に向かって金扇をかざし、「返せ、戻せ」と叫んだら、沈みかけた太陽が再び昇り始め、その日のうちに完成させたという伝説です。実際にこんな上司がいたら、やってられませんね(笑)。

私は音戸のある呉市出身ですが、「高烏台」を訪れたのは初めて。ぐるり360°見渡すことができ、方角によって違う顔が見られるのは発見でした。

後ろ髪を引かれつつ、「高烏台」を後にし、再びシャトルバスで音戸へ戻り、昭和の雰囲気がそのまま残る旧道をぶらり散策。

新酒のワンカップが買える自動販売機の目の前あるのが、音戸の地酒「華鳩」の蔵、榎酒造。ランチタイムにいただいた日本酒「清盛」の製造元でもある榎酒造は、日本で初めて貴醸酒を商品化した蔵でもあります。ここではいろいろ試飲をしながら、好みの日本酒を選ぶことができます。

特製の酢味噌ダレでいただく「清盛丼」。
清盛公の日招き像のある「高烏台」。
レトロな赤いポストが似合う音戸の町並み。
実は清盛ブーム以前から造られている華鳩の日本酒「清盛」。
呉湾は男子垂涎アイテムがぎっしり。

音戸の町からの帰路は、違う航路で呉港へ。土日祝限定で運航している『呉湾 平清盛 航路』を走るのは、御座敷席のある「くれない2号」。自衛隊OBのナイスミドルによるマニアックな解説付き、知る人ぞ知る隠れた人気コースです。

日本最短の渡し船の横を通り過ぎ、音戸大橋の下をくぐると見えてくるのが「日新製鋼呉製鉄所」。赤茶色の工場群に見とれていると、海上保安庁の巡視船とニアミスするも見逃してしまう可能性大なので気をつけてくださいね。

さらに海上をぐんぐん進むとその先に見えてきたのは、最新型の潜水艦! ナイスミドルの解説では、ちょうど1ヶ月ぶりの帰港だそう。

潜水艦をより間近で見るために、船の2Fにあたるデッキへ。熱のこもった解説は、日常では知るはずもないお話ばかりなので、そこまで強い興味がなかった私でも思わず聞き入ってしまうほど。そのままゆっくり呉湾を回遊してくれるので巨大な護衛艦やタンカーもたっぷり堪能できます。戦艦大和建造ドックも見ることができるんですよ。

呉に到着したら、以前ご紹介した「呉屋台」ではしご酒を決め込むと、このツアーはカンペキです!


左・日本最短の渡し船は現在も生活の足として活躍。
右・偶然、海上保安庁の巡視船に遭遇できるかも。

左・本物の潜水艦の大きさを感じる距離まで接近。
右・巨大な護衛艦やタンカーが目の前に。

きよもりブルーライン
「華鳩」榎酒造
呉湾 平清盛 航路