from 北京 – 19 - 酔いどれ広報マン、中国アートハンティング体験

(2009.09.25)

ニイハオ。食欲の秋ということで、最近、体重が上げ止まりません。非常に困ってます。さて同時に、秋は芸術の秋、ということで。今回はアートネタを。

依然として高まりを見せる、中国のアート熱。以前の記事で紹介した「798」に続いて、最近では「798」の北に位置する「草場地芸術区」や「今日美術館(Today Art Museum)」のある国貿南のエリアなどが新たに盛り上がって来たり、日本の森美術館でもアイウェイウェイが大規模な展覧会を開いていたりと、中国のアート熱は高まり続けているようです。なんでも聞いたところによると、近頃の北京のお金持ちは「アートは金になる」ということで、子供にアートを習わせたりするそうで・・・って、ちょっと話が逸れました。今回は、北京で最も有名なホテルの一つ「中国大飯店」の展覧会場で、9/19からスタートした「Green Art Fair」に出掛けてきました。

入り口のバックボード。今回のイベントには多くの協賛が。掃除のおばちゃんとの対比がコレまたアートしてます、か??

さて今回のイベント、Fairと名がついているだけあって、何と言ってもポイントは作品が「買える」こと。全ての作品には値段がついているため「コレなら買える!」「これがこの値段かぁ」などと、自分の「感想」と「価値」と比べてみることが出来るのです。私としては引っ越したばかりの自分の家に飾るアートが欲しく、今回、かなり買う気で乗り込んだワケですが、果たして……。

開催場所は中国トップクラスのホテル「中国大飯店」の中。シャングリラ系の格式あるホテルです。
入場時には、こんなバンドを巻いてくれます。可愛い。参加してる感がありますよね。
広大な会場に、作品がずらり。さーっと眺めるだけでも1時間は掛かったでしょうか。バイヤー?(私)の目が光ります。

学校の体育館くらいのスペースに、迷路のように通路が配置され、並ぶ作品たち。有名な作家モノも少しはありますが、ほとんどが若手の作品だったのではないかと思います。安いもので500元(7,000円程度)くらいから、それなりの作品で1〜2万元(10万円〜30万円)くらいのものが多かったように感じました。

何と言っても、軍は共産党よりも実は権力がある?という権威の象徴。女性の笑顔との対比がそれを際立たせます。
欧米との外交政策をまとめた本には、見えない銃が潜んでいる・・・風刺、というよりはド直球な表現?
最近の中国の作品によく見られるのが、いわゆる「ブランド」をモチーフにしたもの。「憧れ」の象徴だったり「消費」の象徴だったり。

さて気になる釣果、ならぬハンティング結果ですが、結局のところ食指は伸びずでした。残念。中国の新しい都市をモチーフにしたものや中国の「体制」をモチーフにしたものなんかで、結構良いなと思ったモノもあったのですが「欲しい!!」強く思うまでには至らず。中国オリジンの、突き動かされる「何か」を感じられるものには出会えませんでした。

中国の文化背景を無視して、タケノコのようにニョキニョキ生える、中国のビル群。無機質な表現が、皮肉さを際立てています。
失われた家族の肖像?一人っ子政策を掲げる中国。就職難といった新たな問題の一方、退色するように家族の暖かさも色褪せているのかも。
作品につけられた値札を凝視するおばちゃん。きっと作品は彼女の年収よりも高い。この対比こそがまさに中国。アート的かしら!?

もちろん、不発は私の趣味に基づくものが大きく、皆さんだったらどうだったかは分かりません。また、今回はイベントへの参加によるアートハンティングでしたが、798の画廊やら美術館のミュージアムショップなどでも中国アートは購入可能です。中国だけに値切れるのかな……とか思いながら今回は行ったのですが、そこは結局分からず仕舞い(笑)。皆さん是非、挑戦してみて下さい! それでは今回はこんなトコロで。再見!!