from ニューヨーク – 4 - 音楽と出会う場所。

(2010.01.18)
今回はチェリストとのセッション。楽曲はすべてキアラのオリジナル。

NYに来たら伝説的ジャズバーや人気のライブハウスに足を運ばれる方は多いかと思いますが、それ以外で私が年明けにライブを楽しんだ4つの場所をご紹介します。

まずは、ご紹介できていなかった3人目のルームメイト・キアラ(Chiara)のライブ@普通のバーです! 普通と言っても80年以上の歴史があり、随時エントランスフィーなしのライブやイベントをしていて地元では人気の『169 Bar』。おしゃれな店ができ始めて今一番ホットな地区と言われるロウワー・イースト・サイドにありますが、まだ観光客はほとんど来ないそう。ダーツやビリヤードもできるくだけた雰囲気でバーテンもフレンドリー。IDを見せると、「同い年だね。僕は77年7月7日生まれだよ!」と、ぞろ目を自慢されました。しかも日本では七夕。クリスマスイブ生まれの私も完敗でした。ドリンクは3ドルの缶ビールから、フードは近所の宅配が色々と頼めます(メニューを借りて自分で電話し、バーに届けてもらう)。リーズナブルに楽しい夜を過ごせました。(ちなみにIDは、コピーだと断られるお店もあるのでご注意ください。)

私はルームメイトの誘いでこのバーに行きついたわけですが、カフェに置いてあるフライヤーやNYC & CompanyTime Outなど細かいイベント情報も網羅されている情報誌・サイトを活用して、気になるキーワードをきっかけに足を運んでお気に入りの“地元のお店”を探してみてください。

 

FトレインのEast Broadway駅を出てすぐ。169 East Broadwayという非常に覚えやすい住所ですが、“East”をつけずに地図検索をすると”West” Broadwayがヒットしてロウアー・マンハッタンの老舗ディスカウントショップ“センチュリー21”に行きついてしまうのでご注意を!そこからバーまではタクシーで10ドルほど。(経験者は語る。涙)
所属レーベル絶賛募集中!日本の音楽関係者の皆さま、楽曲だけでなく容姿もチャーミングな彼女を(写真より断然かわいいのです)いち早くゲットするチャ~ンスです!!キャリア8年、2009年7月にはMTV2のBay Area Break Out Artistで125エントリー中16位に選ばれました。

キアラの小さな身体(身長153センチくらいかな)から湧き出るソウルフルな歌声に、歌詞を聞き取れない私も心を揺さぶられました。家での練習は聴いていても、ステージとなると迫力も格別。後で聞いてみるとハッピーな歌は少なく、悲しい内容がほとんどだとか。いつもニコニコ朗らかな彼女ですが、昨年10月、カリフォルニアを遠く離れてNYに引っ越してきて以来、故郷やサンフランシスコにいる恋人への思いを綴ることが多くなったそうです。

オフィシャルHP:http://CHIARA-ANGELICOLA.COM

EPKはこちら:http://www.sonicbids.com/epk/epk.aspx?epk_id=161188

 

彼がピアノを引きずって日本までやって来る日が待ち遠しいです。

次は “クレイジー・ピアノガイ”ことコリン・ハギンス (The Crazy Piano Guy/Colin Huggins) @ユニオンスクエア駅。彼はピアノがあるはずのない場所まで雪の日も風の日も本物のピアノを引きずって行ってプレイする、褒め言葉としてのクレイジー(ものすごい)・ピアノガイです。駅構内でストリート・パフォーマンスに出合うのは珍しくありませんが、グッと心を掴まれる出合いは貴重ではないでしょうか。

年明けにキアラがNYに戻り、ルームメイト3人がそろってナチュラルスピードの会話を始めた瞬間、その“聞き取れなさ”に大ショックを受けて一晩自室に引きこもった私。翌日も会話に入りづらく、落ち込んだ気分のままそそくさと街に出かけました。そしてユニオンスクエアでの乗り換えで彼のパフォーマンスに出合ってスパーク!一気に元気が湧きました!!多くの人が足を止めて音に身をゆだね、観客とパフォーマーが一体化したグルーブが生まれていました。知識がなくても意味が分からなくても、多少粗が見えても、圧倒的なエネルギーに引き込まれるコトはありませんか?この音楽はまさにそんな感じでした。

この時の編成はコリンのピアノ、ドラム、タップダンサーの2人。息の合ったパフォーマンスにすっかりユニットだと思い込んでいましたが、後で日替わりのジャムセッションだと知りました。私が聞いたのはジャミロクワイの『ヴァーチャル・インサニティ』ほかジャジーな数曲ですが、レパートリーはクラシックから往年のロック、オリジナルまで幅広いようです。バレエ学校の音楽ディレクターでありプロのダンス伴走者でもある彼の技術は確かに違いありません。基本的に隔週で土曜は18:00~21:00、日曜は15:00~18:00@ユニオンスクエアで演奏予定だそうですが、詳細はオフィシャルサイトでご確認くださいね。1月3日、私が今年最初に出合った音楽を、日本にいる皆さんもぜひ映像でお楽しみください!!

赤ちゃんからおじいちゃん・おばあちゃんまで、まさに老若男女が一緒に楽しんでいる情景が多いのがNYの大きな魅力のひとつ。
50周年に向けてリノベーションが完了した建物。
終演後、ファンと談笑するバンドメンバー。黒いメガホンで次の選曲を告げていたのもユニーク。

続いてはアスファルト・オーケストラ(Asphalt Orchestra)@デイビッド・ルーベンスタイン・アトリウム(David Rubenstein Atrium)。メトロポリタン・オペラ、ニューヨーク・シティ・バレエといった世界一流団体の本拠地である総合芸術施設リンカーン・センターの一部で、インフォメーションデスクや割引券販売所があり、無線LANも使えるパブリックスペースとなっています。ここで毎週木曜夜8:30~“Target Free Thursdays”という無料ライブイベントが行われています。スポンサーはファッションデザイナーとの限定コラボ商品などで人気のディスカウントストア“ターゲット(Target)”

私が観たAsphalt Orchestra は、先鋭的現代音楽家グループ“バング・オン・ア・カン(Bang on a Can)”によるマーチングバンドのプロジェクト。ゆえにエクスペリメンタルなオリジナル曲にはマーチングバンドという言葉から連想する音と一番遠いのでは?と思うようなミニマルなものもありました。一方で、ビョークやフランク・ザッパの楽曲が挿入されたり、ノリの良いいわゆるバンドらしい曲ももちろんあり、ステージ/客席の別なく観客もステージに巻き込むかのように所狭しと動き回るバンドメンバーに、観客たちも連なって大行進したり、逆に道を開けたり。日本で大人気を博した『ブラスト!』のカラフルでダイナミックなステージにも度肝を抜かれましたが、それとはまた異なる方向から意表を突くパフォーマンスに引き込まれました。
ライブ映像はオフィシャルHPで。日本人女性パーカッショニストもメンバーです。

Target Free Thursdaysの今後の予定はこちらで。リンカーン・センター50周年を祝って、1月26日までの間、12団体の当日券がなんと20ドル! デイビッド・ルーベンスタイン・アトリウムの窓口で正午から販売開始。どちらも行列が予想されるのでお早めに。

テーブルを回って女性客に愛を囁くように歌ったりおどけたり、芸達者なスタッフたち。

最後は、未来のスター(?)のウェイター&ウェイトレスがヒットソングを歌ってくれる『エレンズ・スターダスト・ダイナー(Ellen’s Stardust Diner)』です! フィフティーズのムード満点のインテリアで、あま~いデザートをほおばり、前回も登場したエイミーの23回目のお誕生日をお祝いしました。ミュージックチャージとして注文は一人10ドル以上なので、おなかを空かせて行ってくださいね。
 

サプライズでウェイター&ウェイトレス全員によるバースデーソングとケーキのプレゼントに驚くエイミーとウルフ。
年末年始にNYを訪れていたエイミーのママ。エイミーそっくりのキュートな笑顔。