from ハワイ – 1 - マウイの冬はクジラです。

(2009.02.13)

と言っても、鍋のことではありません。11月後半から4月にかけてはホエールウォッチングのベストシーズンです。

例年なら冬の間は北米、カナダ、ヨーロッパ、アジアから多くの人が訪れるマウイですが、今年はなんだかぱっとしません。いつもの冬なら長期滞在で満室になるホテルやコンドミニアムも空室が目立つようです。先頃発表された12月のマウイ島ホテル稼働率は57%でした。これはここ25年間で最も低い数字とのことです。メジャーホテルの中にはこの期を利用して全面改装に踏み切るところもでてきて道路もレストランもす〜いすいの、久しぶりに静かな冬になりました。

そんな人間社会の不景気風も関係なし、ザトウクジラたちは遥かアラスカの海から暖かい南の海を求めて今年もハワイ近海に集まりました。その数5000〜とも6000ともいわれ、この冬は例年よりも早くからからその行動が確認されたようです。

そもそも交尾、出産、子育てのために集まってきた彼らにとってマウイ島の南の海は、ラナイ島、カホオラベ島と二つの島の影響で潮流が比較的穏やかな、最高の海。ハワイ諸島の中で最もクジラに人気のスポットといえます。1月から3月は個体数も多く活動も活発なため気をつけて見ていれば岸からでもその姿が確認出来ます。

ではクジラ発見のコツとは? まず、青い海を背景に白いしぶきが上がっているところはないか探します。白波のように見えますが、気をつけてみると、クジラの潮吹きだったりします。当然風が弱く、海が穏やかで白波がたっていない日の方が見つけやすいですね。潮吹きが見つかればそこを中心に直径50mぐらい、少し視界を広げて見ます。 一度潜ったクジラは時に予測もしないぐらい離れたところに出現します。 青い海に黒いものが動いていればそれも観察してみます。 後は待つだけ、1回の潜水が10分ぐらいといいますから、最低でも20分ぐらいぐらいは待ってみましょう。テールスラップといわれる尾で海面をうつ行動や、ブリーチといわれるジャンプをしてくれればもっと簡単ですが、 やはり基本は待つ、ひたすら観察です。

また岸から海を見ていて白い船が2〜3隻集まっていればそれはほぼ間違いなくホエールウォッチングのクルーズ船。経験豊富な彼らがクジラをみつけて集まっているところです。船の動きを追って待っていればクジラを見つけてもらえそうです。

もっと近くで迫力あるクジラを見たい方にはもちろんホエールウォッチングツアーがあります。この時期は観光ガイドやホテルのツアーデスクなど、どこでも情報がみつかります。どのクルーズもウェブやブローシュアーで船の型や大きさ、ツアーの内容を見せていますから時間をかけて検討してみてはいかがでしょう。代理で予約を取るツアー会社もありますが、ウェブや電話で直接予約したほうが割引などあってお得な時があります。

ホエールウォッチングの船は小さくて25フィート、大きいものでは90フィートぐらいあります。穏やかに見えても海上は以外に揺れるので船酔いする人には、揺れが少ない大きな船かカタマランといわれる二艘式がおすすめです。写真のプリンスクヒオはマウイでは最大級の90フィートです。また滞在時間に余裕のある人は毎日夜10時のニュースの時間、気象予報を見て風が弱い(5〜10フィート以下)の日の午前中を選ぶのも良い方法です。

15年ほど前、初めてクルーズに参加した時は、睡眠不足もあって船酔いがひどく、ほとんどツアーが楽しめませんでした。フジツボの付着した尾ひれ、それが記憶に残る唯一の画です。ただただ、ひたすら2時間が過ぎて、ハーバーに帰るのを待ち続けた記憶があります。2度目に乗船した時は薬を飲んでいたので大丈夫でしたが、ハーレーの似合いそうなアメリカ人のタフガイが子供たちの目の前で豪快にげーげーやっているのが気の毒でした。

またこの時は ガイドに、 乗船した観光客を前「こんなにすばらしいクジラを日本人は食べちゃうんだよ。」と、ちくっとやられた記憶もあります。「外国」にいる「日本人」である自分が“日本人代表”になっていることを思い出させる瞬間です。

ツアーはだいたい2時間ぐらい、料金の相場は大人が$40、子供$20ぐらいが目安です。燃料費が少し落ち着いてきた今は食事の程度、乗船人数、などで値段に差がでます。クルーズの船はラハイナ(Lahaina)マアラエア(Maalaea)

の2カ所のハーバー、どちらかから出ています。ツアーの中にはホテル送迎付きのところもあるし、ハーバーまでは公共のマウイバスを利用する手もあります。

今年は各ホテルとも宿泊費がおさえめでツアーもすいているし、ホエールウォッチングに興味をお持ちの方、マウイ滞在を考えられている方2月、3月はお薦めですよ。

岸からどうやってクジラを見つけるか、写真に撮ると小さくて、わかるかなー? 左側の白いのはホエールウォッチングの船。右側の白いのがクジラのあげる水しぶき。
同様、2匹の親子クジラがひれを水面にあげて叩いたりしているのですが、、、クジラの写真をコンデジで撮るのは相当難しいです。
風の強いこんな日は岸から探すのは至難の業。キヘイからマアラエアの風景です。
逆に風のない夕方、海面が鏡のようになると比較的探しやすいです。
数あるガイドブックとツアーのブローシュアー。空港やホテル、主要ショッピングセンター、スーパーなどで集められます。
ツアーを売るデスク。こういうところでツアーを選ぶと予約を入れてくれます。カアナパリやラハイナ、キヘイなど観光スポットには必ずあります。写真はキヘイのピイラニ・ショッピングセンター内
貫禄のプリンスクヒオは90フィート、常時日本人クルーもいてクジラの生態をわかりやすく説明してくれます。
揺れの少ないといわれる二艘式のカタマランタイプ。ラグジュアリーなクルーズを楽しみたい方に。