金沢の奥座敷、温泉はリンゴの香り、珠姫はチーズの香り!?

(2008.11.13)

鏑木本店での宴もたけなわ。今回の隊長であり、マガジンハウスのおしゃれカメラマンにしてウェブ担当者でもあるこまつさんが、途中から参加した妙齢のご婦人2人と(決しておばさんではないですよっ!)話しているようだ。
どうやら一人は地元の材木商「高津木材」の奥様で、こまつさんの古い知り合い。もう一方はそのお友達らしい。
「私らなんか、気が向けばすぐ朝から車で温泉よ♪」
「えー、いいなー、近いんですかー」
「車で20分。すぐよ。明日行くなら連れてってあげるわよ」
「お願いしますよー。ホテルはこことここで‥‥」
「わかるわよ。8時でいい?」
「ありがとーございますー」
なんと宿舎が二手に分かれている私たちのために、2台も車を出してくれることに。
金沢の人っていい人だー!

翌日は快晴。この時期、何日も晴れが続くことは北陸では珍しいらしい。やはりおしゃれメッセのご利益ですかね。
車は一路郊外へ。金沢の町はこぢんまりとしていて、ちょっと走ればすぐに里山や田園風景が広がる。
昨日、最後に行った居酒屋で彼女たちが金沢の発展のためにはどうすればいいかを熱く語っていたときに、「山の方をもっと紹介したらいい」と語っていたが、こういうことねとすぐに納得。町が伝統と風情があって、魚がおいしくて、温泉まで20分なんて、いいことずくめじゃないですか、金沢!
なんて感心しているうちに、あっという間に着いたのは湯涌温泉。総湯 白鷺の湯という立ち寄り温泉の入り口で350円払って入場です。
壁一面がガラス張りの大きい浴室には木の湯船。首までつかれば窓の向こうに裏山の緑と朝日がきらきら輝いています。
(これでビールがあったら最高なんだけど、まだ仕事があるからなー。かえって寝ようってことにならないかなー)←心の声
ほんと、2泊目は温泉にしなかったことを後悔した一瞬でした。
帰りには高津さんがよく買って帰るというジュース用りんご1袋250円を朝食代わりに買って次のロケハンへ。

 

『銭がめ』は、肌に吸付く源泉掛流し イワナ料理と鍋が自慢の『銭がめ』 築300年の『銭がめ』本館は黒光り

訪れたのは銭がめという温泉料理旅館。7月のゲリラ豪雨で名物の山女を泳がしていた生簀が崩壊。2ヶ月間休業を余儀なくされたという話にびっくり。裏を流れる川の形も変わってしまったそうだ。
ここでも温泉に入らせていただいてパチリ。ここで撮ったのがプロフィールの写真です。でも、全裸のカメラマンに写真撮られたのは初の経験だったなー。ファインダーを構えている下に、なにやら揺れるものが‥‥。
岩魚釜飯の写真に後ろ髪をひかれながら温泉を後にしたのは、まだ11時でした。

 

朝から2回も温泉につかって、すっかりふにゃけた私たちが向かったのは福光屋さん。(京都取材に慣れてから、お店をさん付けで呼ぶ癖がつきました)。東京でも買えるけど、やっぱり本場も見ておかないとね。
飲んでいきたかったけど、まだまだ今日は行くところがある。
「荷物置かせてください」とお願いして身軽になった私たちは、ランチに向かいました。

『福光屋』の酒は全て純米酒、試飲もできます 日常的なギャラリーも併設 おそばの前のおつまみ

向かったのは福光屋さんから歩いてすぐの天徳院。元和九年(1623年)に加賀藩三代藩主前田利常公が正室珠姫(たまひめ)菩提のため、金沢城の東(小立野台)に四万坪の敷地を定めて創建したとか。珠姫の寺と呼ばれています。
その参道だけをただで見て、入山料はランチ代に当てることにして、山門前の蕎麦屋へ。
ここで例のアラフォー女子、元グルメ編集者の習性か、普通なら見つけようと思っても見つけられないメニューを探し出しました。その名も‥‥
「チーズぶっかけそば」
確かに想像はつく。いや、想像がつきすぎる。
冷たいそばに細切りチーズがトッピング。チーズのにおいとそばの香り。味見をさせていただいたが、そばとチーズはまったくマリアージュしていなかった。
しかも、このメニューにつけられた名前が、由緒正しい寺の主役である「珠姫セット」。チーズのかぐわしい匂いに玉姫の面影を込めたのでしょうか?

 

いろんな意味でつかれきった私たち一行。
朝からこんなに活動しているのに、まだ時間は12時です。
ということで次回「アートの町・金沢編」へ続きます。