from 鳥取 - 82 - 大山ブロッコリー
「きらきらみどり」誕生!

(2011.11.25)

大山町の原風景:雄大な大山北壁を望む大山ブロッコリーの畑
大山ブロッコリー

鳥取県に大山という山があります。「だいせん」と読みます。これは、西日本では結構、名のとおった美しい山で、古来から日本四名山の一つに数えられています。

大山にはブナの原生林があります。そしてその麓には有機質に富んだほくほくの黒ぼく畑が広がっており、そこでブロッコリーがすくすくと育っています。

全国津々浦々で栽培されているブロッコリーですが、ここ鳥取県の大山町を中心とする鳥取西部一円で大山の懐に抱かれて育ったブロッコリーを、地元では愛着を込めて「大山ブロッコリー」と呼んでいます。

いまでは国内のどこの産地も新鮮さをアピールするために「葉付き」で売っていますが、最初に葉付きで売り出したのは、じつは大山ブロッコリー。また、平成22年9月からは、他産地に先駆けて全生産者がGAP(農業生産工程管理)手法※1を採用し、各農場での危機管理を「見える化」しました。常に「どう管理すればより安全か」を生産者一人一人が考え、より安全性の高い方法を選択して農作業を実践しています。大山ブロッコリーの産地は、常に挑戦し続ける「前進する産地」なのです。


苗床で30日間大切に育て

丹精込めた大山ブロッコリー
取り扱い注意

ご存じですか?ブロッコリーは鮮度が命!温度管理には注意が必要です。常温で放置すると黄色く変色し品質低下を招いてしまいます。なぜかというと、「蕾」の集合体だから。放っておいたら花を咲かせようとして栄養を消費してしまうのです。

だから大山ブロッコリーは、各農場から集荷所に持ち込まれたらすぐに真空予冷という方法で急速に冷やし、保冷車に乗せ冷蔵状態を保ったまま小売店の店頭まで運ぶ、コールドチェーンと呼ばれる流通形態をとっています。

それでもスタート時点で品物の温度が高かったら品質低下の危険度が高まります。だから大山ブロッコリーの生産者は日が昇る前から畑に行き、品物の温度が上がってしまわないうちに収穫しているのです。真っ暗なうちからヘッドライトをつけて畑で作業しているので「新任のお巡りさんに泥棒と間違えられた!」という笑い話があとを絶ちません。

お店ではぜひ、きれいな緑色で葉っぱまでみずみずしいものを選んで、買って帰ったらすぐに冷蔵庫に入れて、お早めに食べきってくださいね!


JA鳥取西部ブロッコリー部会青年部・中原部長

真空予冷庫へ


そして、きらきらみどり

大山町の顔である大山ブロッコリー。平成22年7月にはマスコットキャラクター「ロッコとリーブ」が誕生、また平成23年2月には地元有志による大山ブロッコリー料理研究会が誕生。小学校での学習や地域のイベントに生産者や料理研究会、JA職員が出かけて行って、一緒に栽培したり料理して食べたりしていて、地元ではこれまで以上に愛される存在となっています。

そして、このたび。平成23年10月。大山ブロッコリーから新ブランド「きらきらみどり」が誕生しました!

「きらきらみどり」は、大山ブロッコリーのなかでもとりわけしっかりと土作りをした厳選された畑で、有機質を主体とした肥料を使用することで化学合成肥料を7割カットして栽培されたものです。さらに、収穫前の検査でおいしさの基準※2に合格したものだけが「きらきらみどり」になるのです。

おもに関西、中京と地元に出荷されている「大山ブロッコリー」と「きらきらみどり」。「ロッコとリーブ」の着ぐるみもでき、料理研究会考案のレシピを携えて、これからさらにいろんなところに出かけていくことにしています。

あなたの住む街にも、もうすぐやって来るかもしれませんよ!?


簡単、かわいい、大山ブロッコリーのパンケーキ ※3

これ全部、ブロッコリー料理

料理研究会による料理講習会

ついに登場!ロッコとリーブ緊張のお披露目式

マスコットキャラクター「ロッコとリーブ」

※1:GAPとは、Good Agricultural Practice の略。農業生産工程管理という、農場において農産物の安全性を脅かす可能性のある要因を一つ一つ点検し、取り除いていく危機管理手法。
※2:「きらきらみどり」のおいしさの基準とは、苦みやえぐみのもととなる硝酸イオン濃度の上限を設定した大山ブロッコリーの独自基準。
※3:「大山ブロッコリーのパンケーキ」の作り方は、鳥取県のホームページでご覧いただけます