from パリ(たなか) – 86 - パリの空の下 sous le ciel de Paris

(2010.12.27)

♠ beaucoup de neige 大雪

12月になって、毎日よく雪が降る。オゾン監督の新作の評判がいいので、オデオンのmk2で見ようと思っていたのだが、昼過ぎから降り出した雪がみるみる積もり、足元が滑りそうで危なくなってきたので中止した。夜までに10センチ近い積雪となり、アパートの中庭でも雪かきをする懐かしい音が響いていた。20何年かぶりの大雪だったそうで、パリ中の交通は大混乱。翌日は朝から雪晴れの真っ青な空が広がり、気温も上がって、都心の雪は一気に融け始めた。
 

♣ il fait froid 寒い

冬のパリは夜明けが遅い。朝起きて中庭に面した窓から、建物に囲まれた四角い空の様子を見上げるのが冬の生活習慣になった。青空が見えるといっぺんに目が覚め、どこか出かけようと計画を立てる。どんより曇っているともう一度ベッドへ戻りたい気分になってしまう。秋からずっと、いやになるほど雨や曇りの日が多かったので、よく寝たかも知れない。晴れた日のことは、すっかり忘れてしまった。今年の冬も去年以上に寒い。しかし冬至を過ぎたから春は近いはず。あくまでも暦の上の問題、ではあるが。
 

♦ l’heure d’ete 夏時間

パリに来てすごいなあと思ったことの一つが空の色だ。初夏の頃の、どこまでも見通せるような底抜けに晴れた空は、東京の水分を含んだ空とは質感が全く違う。輪郭がはっきりした白い雲を浮かべた秋の空も、透明感があって素晴らしい。パリは、空がいちばんだ。冬の間、暗くて重い日が毎日続くので、いっそう青い空を恋しく思うのかも知れない。
 

♠ le ciel bleu 青空

宅配便の手続きにピラミッド駅の近くまで行ったついでに、サントノレ通りのコレットに寄った。セレクト雑貨のコーナーで、雪の量が半端ではないエッフェル塔のスノードームを見つけた。10センチに満たないドームの中のエッフェル塔は、半分近くまで雪に埋まっている。ドームを横に倒して、雪が静まったところをそーっと立てると雪面が斜めになり、なんとかタワーの足元が見える。お土産にと思って、二つ買った。
 

♣ cours du temps 時の流れ

12月で単身赴任を終え、東京へ戻ることになりました。併せて、このコラムも終了します。1年と8カ月あまり、毎週休みなく掲載できたことがいちばんかなと思っています。ご愛読、どうもありがとうございました。
au revoir, a bientot