『Age(アージュ)』ニュージーランドスペシャル カンタベリーを訪ねて。

(2009.06.28)

ハニー・デュー〔Honey Dew〕との出会い。

帰り道、ブナ林の中に入ると間もなくリンダさんが「珍しいものがある」といって車を降りた。全体が朝露にぬれたようにキラキラ輝く黒ブナの木の前に来ると「その雫をとって、舐めてみて」という。甘い。品の良い甘さと自然のエネルギーを感じる。

この雫は樹液をたっぷり吸った昆虫が余分な樹液を体外に出したもので、その過程で樹液は甘い蜜に変化するのだそうだ。養蜂家は黒ブナ林の中に巣箱をおいてミツバチにこの甘い蜜を集めさせ、「ハニー・デュー」=Honey Dew。直訳すると「甘い雫」〕と名付けて販売しているとのこと。

黒ブナの幹にはたくさんの甘い雫が……。
ハーマー牧場のブナ林。マイナスイオンをタップリ浴びてリフレッシュ! 

ハニー・デューはカンタベリー西部丘陵地にある黒ブナ林の特産で、そのほとんどはドイツに輸出されているため、NZ国内でも珍しいアイテムらしい。NZ滞在中にどこかでハニー・デューを買えるところはないかとたずねたら、リンダさんが近所の店に少し残っていることを確認してくれた。もちろん買い求めないはずはない。「日本に着くまで瓶の蓋を絶対開けたらダメよ」と念を押された私はじーっと我慢。

帰国後、早速ハニー・デューの味見をした。ハチミツが運ぶプロセスを経たためだろうか、ハニー・デューはハーマー夫妻の黒ブナ林で体験した雫の味より濃厚に感じた。見た目はクロ褐色で濃い目だがその上品な甘みはチーズとの相性も良い。